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2006年10月14日 (土)

第1回 株式会社リクルートとらばーゆ編集長 河野純子さん                

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「やりたいことの見つけ方チャンスのつかみ方」

河野さんが雑誌を作る仕事に興味を抱き始めたのは、高校生のとき。仕事に役立つからと大学時代は社会心理学を専攻、就職活動では迷わず出版社を選び、現在お勤めのリクルートに入社します。住宅情報誌の編集からスタート、会社が与えてくれたあらゆる仕事のチャンスに対し徹底的に向き合い仕事の基礎力を築きました。その後、副編集長に昇格し女性ならではの視点で特集、セミナーなどを企画、10年前にとらばーゆに異動し編集長に就任しました。女性のキャリアアップの機会創出のための事業開発にも注力し、今年4月からは「女性のライフ&キャリア研究所」を兼務しています。

“自分は未完成、また新しいチャンスがあればどんどん動いていきたい、来年何をやっているかはまだわからない、それが人生の面白さ”だとおっしゃる河野さんに、「やりたいことの見つけ方 チャンスのつかみ方」をテーマにお話していただきました。

まずはきっかけを作るために行動すること、必死にやってみることが大事

きっかけはきっとなんでもいい。あれがいい、これもいいと迷って一歳二歳と年齢を重ねてしまうよりも、何か惹かれることからまずはやってみること、そして必死でやってみることが大事。

私もなんとなく雑誌の編集の仕事がいいなと思って選びましたが、やってみたら頑張れたのですね。編集といっても、仕事の中味は企画を考えること、取材すること、原稿を書くことなどいろいろな要素があるわけですが、特に私は企画を考える作業が大好きで、それをやっている限りはまったく飽きなかったですね。この適性は今の「新規事業を考える」という仕事と通じる部分もあるのですが、自分が企画を考えることが好きだということは、本当にやってみないとわからなかったことですね。中には同じ編集者でも文章を書く部分が好きで、やがてライターになった人もいます。

だから、まずは何かきっかけをつかんでやってみる、そしてそこで何に対して自分は頑張れるのかを試してみる、自分の得意なところに気づいたらそれをどんどん伸ばしていく、そこに適職のヒントは必ずあります。そしてそれがもし適職ではなかったとしても、そこで必死に頑張ることで、どんな仕事でも通用する基礎力が必ず身につくのです。

その基礎力とは、以下の3つで語られています。

       対人能力

       自己管理能力

       対課題能力

対人能力というのは、親和力、協働力、統率力のこと、人はひとりでは仕事は出来ないですから、他の人といい関係を作って協力しあい、場をリードしていく力が求められます。

自己管理能力とは、感情抑制力、自信創出力、行動持続力のこと。気持ちをコントロールしたり、いろんな人とうまく付き合っていくなど非常に重要な基礎力です。前向きに考えられる力、学び続けることもここの力のひとつだと思いますね。

対課題能力とは、課題発見力、計画立案力、実践力のことです。

こういう基礎力が身についていれば、何か適職につながるきっかけが得られたときに、そこに自信を持って飛び込んでいくことができると思います。ですからなかなか適職が見つからなくても、今は基礎力をつけているときと思っていればいいんだと思います。

私自身の体験だけじゃなくて、これまで取材してきた方みなさん、口々にそういうことをおっしゃいますね。最初から適職なんてわからない、とりあえず目の前の仕事を一生懸命やってから発展させていけばいいのだと。

かつてのキャリア論は『自分を知り、職業を知れば、そこにベストマッチがある』というものでした。自分の棚卸をして成功体験を思い出す・・・それも悪くないんですけれど。でも自分の中にあるものは本当に小さなものであって、それだけで考えることには限界があります。

最新のキャリア論は、『キャリアは偶然性に支配されている』というのが主流となっています。これはアメリカのキャリア学者のクランボルツ氏のもので、調査によれば、実際にキャリアを上手に積んできた人のだいたい8割の人が、偶然の中で築いてきたということが発見されたわけです。ただし、偶然性に支配されているとはいえ、よりよいキャリアを築いていくためにはいくつかのポイントがあると言われています。

まずオープンマインドであること、そして頭の中で内省するよりもまず行動すること、そして偶然の機会を作り出す行動をすること。今日、キャリアカフェに来たことも機会のひとつですね。そして偶然の機会を生かす準備をしておくこと、これが基礎力をつけておくことですね。

もうひとつのキャリアモデルを紹介します。ワークス研究所の大久保幸夫所長が提唱していることですが、キャリアには筏くだりの時期と、山登りの時期がある、多くの人は35歳くらいまでは筏くだりの時期ではないかと。フリーター問題で何がもったいないかというと、正社員とアルバイターでは、会社から期待されること、与えられる仕事が異なると。要するに下っている川の流れが違うんですね。いつまでもフリーター、アルバイターの立場でいると、ゆるい川を下っていることになりますね。正社員の立場で自分の身の丈よりも大きい責任を背負って一生懸命漕ぐ、そうすることによって筋肉がつく。だから正社員にチャレンジしたほうがいいと。ある程度筋肉がついたころに上りたい山を見つけて、そこに全エネルギーを一定期間集中してみる、そうするとやがて何がしかのプロになれるというのです。

腹をくくる、目の前の仕事から逃げない

そしてチャンスをつかむために大事なことは、決して仕事から逃げないこと、腹をくくることです。女性の場合は結婚、出産というタイミングを機に働かないという選択肢が許されていますよね。そういう切り札を意識せずとも持っている可能性があるわけですが、それを企業は慎重に見ています。新卒採用の現場では、企業の人事担当の方も言っていますが、確かに女の子のほうが優秀なんだけれども辞めてしまう、投資コストがあわない、だから男性がほしいと。実際に勤続年数を見ても、男子13年、女子9年と開きがある。この差があることで、なかなか女性にチャンスが与えられない歴史が続いてきました。

とはいえ日本は昨年から人口減社会に入りましたので、女性の力に期待する企業が増えてきました。男女差別のないフェアな人材採用・育成を行いながら、同時に育児をケアする制度を整備する会社が増えつつあります。ですからなおさらですが、仕事と結婚・子育てを天秤にかけるのではなく、両立していくスタンスに立つべきだろうなと思います。ライフイベントに左右されず、仕事にちゃんと向き合っていく、と腹が決まった人には企業も安心してチャンス、つまりやりがいのある仕事、教育の機会、ポジションを与えることができます。この人辞めちゃうかもしれないという人には怖くて仕事を与えられないというのが実態ですね。

とらばーゆでは「これが女の出世道」という記事を連載しており、企業の中で高いポジションに上がった人がなぜそんなに偉くなれたのかについてインタビューしています。これまでに上場企業の役員になった方たち27人にインタビューしました。上場企業の役員ですからかなり高いポジションですよね。なぜ役員になれたのか?最初から役員を狙ってバリバリ努力していたかと思っていたのですが、実態はまったく違っていました。なんと、最初から長く働こう・出世しようと思ったのは4人だけ。あとの11人は長く働こうと思っていたけれど出世は関係ない。そしてあとの12人は長く働くことさえ思っていなかった、結婚したら辞めようかなぐらいの志で社会にデビューしていたんですね。ところが会社に入ってチャレンジャブルな仕事に出会い、一生懸命やってみたら仕事って頑張ればちゃんと返ってくるものなんだ、こんな面白いことならずっと続けていこうと。なんらかのいい仕事の経験をして、仕事と向き合っていこうと思える腹が据わる経験をしていたんですね。それによってキャリアプランが変わって、結果的に役員まで上り詰めた人が大半でした。仕事と向き合う、腹をくくること、それが大きなチャンスにつながるわけです。

チャンスにはのってみる。そしていつも笑顔でいること

あとはチャンスにのってみるというのも大切です。チャンスが来た時点で選ばれているんですよね。せっかく期待されているのだからまずはやってみればいい。失敗したら、選んだほうが悪いくらいの気持ちでやってみたらいいと思います。そして年齢を言い訳にしないこと。いくつになっても新しいことにチャレンジしてほしい、そうすることでやりたいことにどんどん近づいていける。最後にチャンスをつかむために、今日からできるとても簡単なことをお伝えします。それはいつも笑顔でいること。ニコニコしている人の回りには人が集まりますね。人は情報やチャンスを持ってきます。無愛想な人のところに人は寄ってきません。前述したワークス研究所の大久保幸男さんも、「仕事のための12の基礎力」という著書の中で、リアクション力、愛嬌力、そして楽天力の大切さを指摘しています。このあたりの力はチャンスを集める上で大切ですね。

転職活動のアドバイスも一言。やりたい仕事を見つけるための情報収集方法ですが、まずは行動です。具体的な仕事の情報にたくさん触れることが大切です。皆さんの頭の中にある何百倍もの種類の仕事が世の中にあるからです。何かいい仕事はないかというときに、雑誌をパラパラ見るのはいい探し方です。自分で決めつけ過ぎず、幅広い情報に触れることが大切。そして仕事の情報を見るときは、出来るか出来ないかではなく、やりたいかやりたくないか、という視点で見てください。例えば、もしその仕事にチャレンジしたら、自分は1年後にどれくらい成長できるか、という視点でみてみるとワクワクすると思います。その自分が今よりいいなと思ったら、ぜひ応募してみる。興味を持った会社にどんどん話を聞きに行く、応募する側としてちゃんと会社を見てみる、それを繰り返すと自分のやりたいことが見えてくると思います。

応募書類についてのアドバイスもひとつ。よく「気の効いた志望動機が書けない」という悩みを聞くのですが、考えても志望動機が書けないような求人には応募してはいけません。それはそもそも志望をしていないからですね。志望動機は内から湧き出てくるもの。でも気になる求人があれば、情報収集をしてみると、なぜそれに惹かれたのかがわかり志望動機が書ける様になれます。本当に志望しているかどうか、考えてみるほうがいいですね。

いま、求人環境はとてもいいですし、女性への期待も高まっています。ぜひ、今日をきっかけに何か行動を起こして、チャンスをつかんでください。

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